【ゼノブレイド2】③主題

ゼノブレイド2_③主題 ゼノブレイド2

たとえ能力が闇を生んでも、意思はだれかの光に照らされている

【ゼノブレイド2】③主題

この記事では、下記タイトルの主題を書いています!

  • ゼノブレイド2(Switch:2017年)

主にホムヒカの意思が変わっていった経緯を、「光」をキーワードに読み解いていきます。そして、人の意思はどのように形成されるのか考えていきます。よろしくお願いします!

  • ゼノブレイド(Wii:2010年)
  • ゼノブレイド2(Switch:2017年)
  • ゼノブレイド2 黄金の国イーラ(Switch:2018年)
  • ゼノブレイドDE(Switch:2020年)
  • ゼノブレイド3(Switch:2022年)
  • ゼノブレイド3 新たなる未来(Switch:2023年)
  • ゼノブレイドクロスDE(Switch:2025年)

本記事には、エンディングを含むストーリー全般の内容が含まれています。

まっすぐに楽園へ

制作陣が掲げた「ジュブナイル&ボーイミーツガール」というコンセプトのとおり、本作はレックスがホムラと出会い、その望みを叶えるために物語が一直線に進んでいく。

各話の冒頭ムービーでは、各国首脳が何やら会談していたり、最終話では唐突にSF的なシーンが流れたり――シリーズ恒例で、もちろん大歓迎!――外野では色々あるのだろうが、そんなことはお構いなしだ。

レックスとホムヒカの間に遮るものは何も無い、意思は同じく楽園に行くことなのだから……

たとえ望みは異なれど

しかし実際は、レックスとホムヒカの意思には齟齬がある。序盤は見かけのうえで目的が一致しているに過ぎない。

第一話の終幕ムービーで、ホムラは、楽園に行くことが「私たち」の望みと言ったが、この私たちとはホムラとヒカリのことだ。

そう考えると、中盤までのレックスは痛々しく見えてくる。前だけを見て突っ走って、ホムヒカの思いが見えていない――彼女たちが離脱して、ようやくその望みに気づく。

彼自身が言ったように、バカ…だったのか?――いや、私はそうは思わない。

光の正体

序盤の山場といえるカラムの遺跡の戦いでは、ヴァンダムがやられ、レックス達は戦闘力で圧倒される。そんななか現れたヒカリは、まさに名前のとおり、彼らの「光」だった。

中盤の第六話、ゲンブの頭における戦いでは、ヒカリまでもがシンに圧倒される。しかし、ホムラが捨て身の策でレックス達を守り抜く。

その際のやり取りで、彼女が操るのは炎ではなく、光であることが強く示唆される――能力的な意味では、ホムラこそが光だった。

しかしエンディングで、プネウマが、もう声の届かないところにいるレックスに語りかける、ありがとうレックス、私に光をくれて、と……

本当の光はレックスである。これは意思の話だ。

照らし続けた先の覚醒

レックスが光であることを象徴的に示すイベントは、プネウマ覚醒のシーンだろう。彼が、この世界好きかい、と語りかけたことで、己の力の意義がわからず恐れていたホムヒカの中に、好きな世界を守るという意志が花開く。

だが、それは唐突な出来事ではない。実のところ、レックスは物語の序盤から同じ光を当て続けていたのだ――第四話の冒頭にて、ホムラの力は皆を守る力だと告げている。

植物が日差しを浴びてゆっくり花開くように、レックスは長い時間をかけてホムヒカの意志を育み、ついにモルスの断崖において彼女たちの存在意義を再定義したのだ。

世界そのものは変わらない

その後は、酷い世界を変えようとするシンやメツに対し、レックスは世界そのものを再定義し、その価値を問うた。

シン、そしてメツとの最終決戦は、意思のぶつかり合いだ。シンの刀が手から離れていく描写は、彼が世界の価値を認めた瞬間とも解釈できる。

前作では、断つ、斬る、といった言葉が象徴的に用いられ、相容れない存在と決着をつけていく印象が強かった。

だが本作では、レックスの言葉や行動が、敵味方を問わず他者の心情を変化させ、運命に翻弄される者たちの存在意義を書き換えていった。

醸成される意思

本作は、物語をとおして意思の重要性を教えてくれる。そして、能力だけでは路頭に迷ってしまうこともある。

私たちは能力(スキル)が重視される世界に生きていると言えるだろう。他人が評価するのはスキルであり、私たちはスキルがあることを主張する。

そんななかでも、能力が人を規定するのではなく、意思が能力に意味を与える。さらに、その意思は、自分ひとりで見いだされるものとは限らない――むしろ多くの場合、他者との関係性のなかで生まれ育つものなのだ。

本作でも、レックスだけが特別だったわけではない。実際、シンにとってのメツ、フレースヴェルグの孤児たちにとってのヴァンダム、さらに、アーケディアの難民にとってのマルベーニ――彼らもまた、他者の意思を方向づけた存在だった。

善か悪かはわからない。だが、光を当てる人物によって導かれる意思がある――その事実を、本作は確かに伝えてくれる。

たとえ能力が闇を生んでも、意思はだれかの光に照らされている
                               ――ゼノブレイド2
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